ごあいさつ

理事長 坂口 正子

私が、知的障害を持つ長女ために小規模作業所ミルキーウェイを開所してからはや20年が経とうとしています。知的に重度で自閉症である彼女は、非常に細かな作業が得意であったり、突拍子もない面白いことをはじめて私たちを楽しませてくれる半面、強いこだわり、パニック・・・大きなエレクトーンに体当たりしてひっくり返して壊してしまったりと、目に余る面も多くありました。

「この子の居場所は私が作ろう。」と、一念発起したのは、彼女が養護学校の高等部を卒業する頃でした。自宅でやったのでは、けじめがつかない・・・と小さな部屋を借りて手芸品などを主に製作するようになったのです。
「この子たちが銀河に輝く星のように輝ける存在になれますように」と名付けられたミルキーウェイですが、そうこうするうちに、作業所を利用する人が増え、職員が増え、どんどんにぎやかになっていきました。

そして一番の転換期である、「さをり織り」との出会いがあったのです。これは、大阪の城みさを先生が考案した、簡単にできる自己表現の手法なのですが、とにかく作品がすばらしいのです。
作業が簡単であるゆえに、知的障害を持つ人達のすばらしい色彩への感性が、ダイレクトに作品に表現されます。常人である私たちが持っている既成概念がないために、自由に思うがままに表現できるのです。

その後法人格の取得、第2施設ホールスカイの開所と、当法人は「さをり織り」と共に歩んで参りました。施設利用者が、自己表現を通して成長していく様を通して私は多くの感動を与えてもらいました。知的障害者には「感性」の力がある、このことをより多くの方々に知ってもらうために、作品展、とっておきの芸術祭の開催など啓蒙活動にも力を入れております。

そしてなにより、施設利用者が心豊かに楽しく生活できるよう「明るく・楽しく・アットホーム」を合言葉に、支援を心がけています。